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すっかり秋めいて過ごしやすい季節になりました。でも冬に向けて気温が低くなってくるこの時期は、急な体調の変化が起こりやすい時期でもあります。急な変化の時はどうしてもあわててしまいがちですが、落ちついて対応することがその後の回復にとって大切です。
今月号の『あっとほーむ』では体調変化のときの観察ポイント、対応方法などをご紹介します。
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転倒して頭を打ったとき |
観察ポイント: |
こぶや出血がないか、吐き気や嘔吐、頭痛はないか、意識はしっかりしているか、今まで見られなかった麻痺のようなものがないか観察しましょう。 |
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対処法: |
医療機関を受診し、その時に、頭部を打ったことを医師に伝えましょう。その時は何ともなくてもあとから脳内に出血や腫れが起きることもあるので、3ヶ月くらいの間は嘔吐等変わった様子がないか注意しましょう。 |
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骨折が疑われるとき |
観察ポイント: |
骨折が疑われる個所に腫れや変色がないか観察しましょう。
ご本人が痛みを訴えられない場合は、動きがおかしくないか、発熱はないか等注意しましょう。 |
対処法: |
骨折が疑われる場所を動かさないようにして受診しましょう。 |
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誤嚥(食べ物を喉につまらせること)してしまったとき |
観察ポイント: |
誤嚥してしまってからでは観察している余裕はありません。
日頃から食事のときにむせることが多くなっていないか、食事に時間がかかるようになっていないかなど観察しておきましょう。また予防として食前に嚥下体操や空嚥下(つばを飲み込む)を行なったり、食事や水分にとろみをつけるなどの工夫が大切になります。 |
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対処法: |
すべての誤嚥は命にかかわる緊急事態へとつながる危険性があります。
大声で他者の助けを求めながら、自分でできることを行なう必要があります。
・パンや餅などの大きなものはとりあえず手をいれて取り出しましょう。
・小さな物や口から取り出せない場合は、前傾姿勢をとり背中を強く叩き吐き出させましょう。 |
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意識がはっきりしないとき |
観察ポイント: |
「いつもと違いぼーっとしている。」「一瞬だが意識を失ったようだ。」というような時、意識障害が起きている可能性があります。意識障害には一見すると物忘れが始まったように見える軽い場合から、目も開けず声かけや痛みにも反応しない重い場合までさまざまな程度があります。呼びかけに反応するか、痛みに反応するか、うとうとしていないか等確認しましょう。 |
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対処法: |
意識障害がみられたときは、例え軽くても受診が必要です。声かけや痛みにも反応がない時は至急救急車を呼びましょう。急に倒れ意識を失なったような場合は極力その場から動かさずに救急車の到着を待ちましょう。その間呼吸が楽にできるように、また吐物で窒息しないよう横向きにする等の処置を行ないましょう。 |
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嘔吐したとき |
観察ポイント: |
吐物のなかに血液が混じっていたりコーヒー様だったりしないか、食中毒等食べた物との関係はないか、最近頭部を打ったりしていないか等確認しましょう。 |
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対処法: |
嘔吐した時吐物が気管に入って肺炎を起こしてしまうことがあります。
ベッド上で嘔吐したときは喉に吐物がつまらないよう、枕を取り横向きにしましょう。このとき麻痺のある方は麻痺側を下にしないように注意しましょう。最近強く頭部を打ったことがあるような場合は、すぐに受診しましょう。また入れ歯を使用している場合、嘔吐した時に吐物と一緒に入れ歯がはずれてしまうことがあります。吐物を捨てる時に入れ歯が混じっていないか確認しましょう。 |
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まとめのひとこと |

緊急事態を避けるために大切なことは『日々の体調管理(観察)』です。治療中の病気がある方はもちろん、特に持病のない方も年に1回は健康診断を受けるなどして体調のチェックを行いましょう。また日頃から食事のかたよりや便秘、運動不足等に注意することも大切です。
体調に気をつけて食欲の秋、読書の秋、さまざまな秋を謳歌しましょう! |