|
|
「痴呆」という呼び方が変わる? |
「痴呆」という言葉は、緑寿園のような老人介護の現場では、広く使われています。しかし、近いうちに、この言葉が変わるかもしれません。
「痴呆」とは、もの忘れがひどくなり、知能が低下する、一種の病気です。高齢になれば、誰でも多少は、もの忘れが増えるものです。でも、通常の生活で困らない程度のもの忘れの場合は、「痴呆」とは呼びません。生活に困るような知能の低下がある場合を、「痴呆」と呼びます。日本全国で、痴呆の高齢者は、約160万人。高齢者全体の5パーセント程度だと言われています。
この「痴呆」という呼び方について、今年の4月19日、痴呆のある高齢者の研究をしている、高齢者痴呆介護研究・研修センターから、呼び方の見直しをした方がよいという、検討の申し入れがありました。「痴呆」という言葉は、どこか人を蔑んだ印象があります。そこで、個人の尊厳を保つ意味から、別の呼び方を使った方がよいという提案です。
厚生労働大臣は、この提案を受けて、変更に向けた検討を開始するよう指示しました。国では、有識者による検討会を立ち上げて、国民や学会、医療・福祉関係者、介護家族等の意見を聞きながら、新しい呼び方の検討を進めるそうです。秋頃には新しい表現が生まれるかもしれません。みなさんは、どのような呼び方が良いと思いますか? |
|
|
痴呆は、介護を行う家族の方に、大きな負担を強います。緑寿園では平成15年度に、武蔵野市・小金井市・西東京市との三市共同事業として、痴呆性高齢者を介護している家族が、お互いに励まし合い、情報交換できるよう、家族の集いを行いました。家族の集いでは、家族の方から様々な話を、うかがうことができました。痴呆の方を介護している方の、普段はしまっている悩みや関心事がよく分かりました。 |
※痴呆性高齢者と戦わない。 |
痴呆への対応として、相手のペースに合わせる事が大事であるとあらためて確認しあいました。家族の集いの参加者からも、以前は、高齢者が物忘れをすると、それをたしなめることをしていたが、そうではなくて、相手に合わせてあげると、自分もイライラしないですむようになった、という話もありました。 |
※痴呆の進行を防ぐには? |
痴呆は治ったり、進行を遅らせたりすることができるだろうか、という話題が出ました。痴呆についても、ビデオで学習を行いました。初期の痴呆ならば、色々なことに興味を持って活動する事で、進行を防ぐことができます。参加者からは、もっと早くから取り組んでおけば良かったという声もありました。 |
※上手にサービスを利用する。 |
地域にあるサービスを有効に活用していくことの重要性は、家族の集いでも話題になりました。デイサービス等を使うことで、介護の負担が軽減されたという声もありました。地域の施設として、グループホームや有料老人ホームの見学も行い、入所施設の様子が分かり好評でした。 |
※お互いに励まし合うことで介護の意欲が生まれる。 |
介護をしている者同士で集まって話をすることで、周りの人には話すことのできない、悩みや楽しみを話すことができる。家族の集いに参加して良かったという感想が、多くありました。 |
|
 |
1.痴呆症の方のコミュニケーションの特徴 |
(1)痴呆になると判断力が低下する。
(2)物忘れが出てくる。
(3)見当識障害が出てくる。
例1:曇っていると朝だか昼だかわからない。
例2:家族の顔、名前がわからない。
(4)人柄が少しかわる。
(5)話すことに一貫性がなくなる。
(6)伝えたいことが理解できなくなる。 |
2.痴呆症の方との好ましいコミュニケーション |
(1)自尊心を傷つけない
親しい間柄なので何でも言ってしまい傷ついてしまう。
自尊心が傷つけられると、うつ状態になったり、被害的になったり、暴力的になったりする。
(2)効果的情報の伝え方
1.その方のペースに合わせる
・冗談の通じる方と通じない方がいる。
・話すスピードをあわせる。
2.簡潔に今の情報を伝える
寸前の過去のことを忘れてしまうので、今の事だけ伝える。一度にいくつものことを言わない。
3.納得のいくように伝える
その人の納得のいく言葉、わかる言葉を使う
4.感情に働きかける
感情は保たれており、相手の言動に敏感で傷つきやすい
5.話題を合わせる
一生懸命話そうとする気持ちをわかってあげる
(痴呆介護家族の集いより) |
|
 |
緑寿園ケアセンターでは、武蔵野・小金井・西東京の三市共同事業として、痴呆のある高齢者を家庭で介護しているご家族のため、「痴呆のはじまりとかかわり」と題した、リーフレットを作成しました。
介護しているご家族の、参考にしていただけ、また、励ましとなるよう簡潔にまとめております。内容は下記のようなことです。 |
- 痴呆の始まりによく起こる症状
- 痴呆の対応が楽になる介護者の接し方
- 家族の集いで得られた介護者の声
- 介護を続けてきた方の体験談
- 痴呆の方とのコミュニケーションの取り方
- 電話相談や病院の電話番号
|
このリーフレットは、市役所や緑寿園を通じて、無料で配布いたします。
興味のあるご家族は、緑寿園ケアセンターまでご連絡下さい。 |
|
 |
ご要望に応え、今年度も年4回、痴呆介護家族の集いを行います。1人で悩まずに、同じ悩みをもつ方同士交流しながら、専門家からアドバイスを得て、学びあい、支え合っていきませんか |
 |
日 時: |
第1回 平成16年6月9日(水) 午後1時30分〜3時30分 |
内 容: |
「家族が困るような行動とかかわり」 講師:五島シズ |
|
講演と家族同士の交流の場を大切にしていきます。 |
会 場: |
緑寿園ケアセンター 3階ひまわり広場 |
対 象: |
痴呆症の方の介護をしているご家族 |
|
武蔵野市、小金井市、西東京市にお住まいの方、昨年参加された方、新しい方も歓迎します。 |
お問合せ・申込み: |
緑寿園ケアセンター 担当:淵辺・大久保 (0424-62-1206) |
|