あっとほーむ 直送版
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出会い、別れ、そして・・・ この1年間も出会いの数だけ別れがあり、別れの数だけ、悲しみがあり・・・また学ばせて頂くことが沢山ありました。今、皆様と過ごした時間を大切に思い、皆様のやさしい笑顔が、私達をささえてくださり、新たなる出会いに進むことができたと思います。 事務企画室長 森松昭夫 line
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平成21年7月号
  みんなの声
※あっとほーむ直送版では発行当時のままに配信しているため、
 一部に古い情報が使用されておりますことを予めご理解いただきますようお願い申し上げます。
第二十八回 供養祭を迎えて
七月四日曹洞宗研修センターのご導師により供養の法要が執り行われます。
緑寿園ゆかりの方々の新盆を、ご家族と共に供養させていただきます。最期へ向かう大切な時をお手伝いさせていただいたことを有り難く思うと共に、一期一会に心を込め寄り添ってくださる佐藤こう(木へんの光)平医師、スタッフにあらためて感謝いたさいます。
昨年暮れに、私も最愛の人を亡くしました。厳しく寒い冬でも、このまま二度と春は来ないほうがいいと切なく想う日々が続きました。しかし、いや応無しに時は巡り、もぎ取られた私たちの時は遠のいていきます。我が家の庭の梅はほころび、園の中庭に桜が咲き、時は移ろいで行きます。そして花吹雪の舞う向こうに、春の陽射しに輝く萌える若葉の息吹に強い力で私は包まれ
「どうか私の中で疲れた体をゆっくり休めて下さい。」
合掌
祖母追悼
祖母は、去る三月二十日安らかに永眠いたしました。享年百八歳の生涯でした。祖母は明治三十三年(西暦一九〇〇年)生まれです。明治、大正、昭和、平成の四つの時代を生き抜きました。祖母を失ったことはとても悲しいことですが、天寿を全うしたことに関しては何か慰められる思いです。祖母の長寿を支えたのは、強く逞し身体と心だと思います。一緒に生活していた頃、朝の散歩を日課とし、少々遠くても徒歩で用事を足すほどの健脚で、食べ物に好き嫌いがほとんど無く、日本舞踊のお稽古を楽しむ一面も持っていました。緑寿園入所後、すぐに環境になじみました。中庭の桜や草木を愛でたり、陶器作りに励んだりしている姿に接するたびに、生きる知恵と勇気を祖母から授かり、その偉大な生命力を感じさせられました。
残念ながら今年の満開の桜を見ることなく旅立ちましたが、多くの優しさや暖かい心に包まれて晩年を緑寿園で過ごさせていただきましたことに、深く感謝申し上げます。
「供養」 いのちを深くする
私達は、毎日を忙しくアーだコーだとせわしなく生きているものです。それがあたりまえだと。
そんな中で、大きな青い空や緑の森を吹き抜ける風に、心安らぐときがあります。だれにでもそんな時間や空間は大切であって生きていくことを深めていきます。
実は、座禅や読経や念仏することも、流されていく日常を止めて、静かに自己というものの大いなるいのちに深く目覚めていくことなのです。生も死も。
そして、ともすれば心をもてあまし、悩み迷い、本来の自己(生命)に気付かないままの(頭の中だけの)自分を一度止めて捨ててみることなのです。
明日のことも知れず、後にももどれない「私」という生命の実物。今、ここでしかない生命の実物。だとすれば、今ここで、できることは多くはない。今できる一つのことを精一杯やるしかないのです。今日は今日切り。
供養とは、先に逝かれた大切な人を偲ぶと同時に、今、手を合わせている「私」といういのちを大事に深くすることでもあります。
はるか遠くまでつながる―。


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