|
 |
18年度の緑寿園の活動は、4月に改正された介護保険法の趣旨をくみとり、高齢者福祉をすすめながら地域の皆様との協創による安心した地域づくりに貢献してきました。日々の活動は、ご利用者お一人お一人の状況を受け止めサービスできるよう、各部門が連携して勢力的な取り組みで始まりました。地域のご利用者の皆様に安心し満足いただけるよう緑寿園独自のサービスも工夫し継続して提供できるよう努力いたしました。こうしたエネルギーの源は、今日まで30年余事業を行うなかで大切に継承された職場風土にあります。職員それぞれが参画する各委員会活動での部門相互の共同活動や、事業運営に職員自らが取り組み一体となって事業を進める姿勢によるところが大です。そして「宝箱」によせられたご意見・ご要望・苦情・激励の声「ヒヤリハット報告」「事故報告」を活用し、安全と適切なプロセス管理に基づき日々業務改善を繰り返し、サービス提供に真摯に取り組んでいます。また、ボランティアの方々のそれぞれのお人柄で、緑寿園の活動に華やかさが添えられ、ご利用者は日々生き生きと和やかになさっていました。
今年度、入居されていたご利用者9名の方をお見送りさせていただきました。長く激しい変化の時代を生き抜かれ、最期の大切な時期を私達に託され迎えられた、安らかで穏やかなお別れをさせていただきました。
私共一人ひとりの力は小さいですが、共同して活動し、次の世代へと繋げていけるよう願いながら今後も活動をすすめてまいります。 |
|
 |
「兄ちゃん!タモ(小型の網)。タモ貸して!メダカとフナがいっぱいおる!」
終戦直後、北伊勢の自宅裏の小川での、幼少の兄弟の魚獲り風景です。読者の皆さんは、多かれ少なかれ、このような経験をお持ちでしょう。時を経て、60年後の現在の西東京市。南境に玉川・千川の上水が、中央部に下水道化した石神井川が横切るだけで、自然豊かな川はありません。今の子どもたち、その親たちにも自然の中で泳ぐ魚を見ることはないでしょう。メダカはすでに絶滅危惧種に指定さえされているのですから。高齢の私達が、脳裏に描くふるさとの自然の中にしか泳ぐ魚が存在しないとしたら、なんと悲しいことでしょう。柳橋保育園や緑寿園のビオトープ池や水槽に小さな自然をつくり、魚を生かそうと考えたのは、子どもたちが自然を知り、また私達の郷愁、癒しの心を通じ、自然の大切さ、生きることの喜びを感じ取っていただきたかったからです。水槽の魚は、お隣りの野川(三鷹市)、落合川、黒目川(東久留米市)から譲り受けたオイカワ、クチボソ、カワムツ、ドジョウなどです。皆さんと、自然についてお話できたらと思います。 |
|
 |
緑寿園の食事は、山形県の農家の方が鳥海山の麓で丹精込めて育てたお米を、食べる頃合いを見てその都度精米し、送ってくださいます。生鮮食品は地域のお店の方が、新鮮で美味しいものを吟味して届けてくださいます。このような“こだわりの食材”を使い、おいしく、楽しい食事になるようご利用者のご意見・ご要望を取り入れながら真心こめて食事をご用意しています。ご利用者の皆様には、年1回嗜好調査を行い、食事のご意見・ご要望を伺う他、毎月食事検討会を開催し、各フロアの代表の方にお集まりいただいて行事食のご要望・反省や日常の食事に対するご意見やご要望をお伺いしています。また食事の際に栄養士が直接ご意見をお伺いしながら、ご利用者の声を献立に反映させています。栄養ケア・マネジメントが始まり、一年が過ぎました。多職種協働(医師、看護師、管理栄養士など)でご利用者お一人お一人に合わせた取り組み(体重の増減、BMI、アルブミン値などを考慮)が実現され、それまで以上により細かな個別の対応がなされるようになりました。
今年も、中庭・前庭に咲いたサフランを使ってパエリアをご用意しました。
また、味噌作り、らっきょう漬け、あんずジャム作りなどご利用者と共に楽しむ緑寿園の恒例行事が目白押しです。 |