|
 |
介護予防の取り組みは、高齢者ができる限り寝たきりなどの要介護状態にならないように介護保険制度のスタートとあわせて、厚生労働省は、「21世紀における国民健康づくり運動」(健康日本21)及び「介護予防・生活支援事業」を創設いたしました。
「介護予防」という新しい概念のもと、緑寿園ケアセンターでは、小金井市の委託を受けて「小金井市介護予防教室」(週1回3ヶ月コースを年2回)を行っています。 |
 |
介護予防の目的 |
日常生活の中に運動を取り入れることによって、からだは丈夫になり、転倒予防に効果的な足・腰・腹部の筋力アップやバランス能力の向上、歩行能力の改善が期待される。それによって、日常生活の活動範囲が広がり、生活機能が高まります。
健康・体力づくりの運動といっても、激しいスポーツをするわけではありません。年齢や、体力水準、健康状態などに応じて無理のない日常的な運動を続けられることに、ポイントをおいています。 |
 |
体力は年々衰えていく |
何もしなければ体力は年々衰えていきます。歩くときに特に大きな役目を担う「大腰筋」の筋力も、70歳代の人では、20歳代の人に比べて、約半分になります。衰えを食い止め、体力を維持、向上させるには、「よく動くこと」「運動すること」しかありません。
体力アップのうれしい点は、たとえ何歳になっても、効果を期待できること、運動を始めるのに、遅すぎることはありません。ただし、体力には個人差があります。同じ運動をしても、みなが一律に向上するわけではありません。大切なのは人と比べないこと、自分に合った運動の量や強さで続けることです。 |
 |
中高年でも、こんなに体力アップ! |
下のデータは小金井市の約30名(65歳〜84歳)の中高年の方が3ヶ月(週1回)運動を行った運動効果です。
運動の内容は (1)ストレッチ (2)筋力トレーニング (3)各自の体力に合わせて5〜10種類(3グループに分けて行う)(4)個別指導
(5)グループ体操 (6)自宅での運動の継続(週1〜7回)この結果から、3ヶ月という比較的短時間でも顕著な効果があることが分かりました。 |
 |
アンケート内容 |
開始前 |
3ヵ月後 |
1. |
毎日気持ちよくすごされていますか |
67.9% |
91.7% |
2. |
食事はおいしく食べられますか |
89.3% |
100.0% |
3. |
外出することが多いですか |
71.4% |
83.3% |
4. |
階段を楽に上がることができますか |
53.6% |
66.7% |
5. |
階段を楽に下がることができますか |
50.0% |
83.3% |
6. |
休まずに15分以上歩くことができますか |
89.3% |
91.7% |
7. |
動いてもあまり疲れを感じませんか |
57.1% |
75.0% |
8. |
朝、気持ちよく起きることができますか |
71.4% |
83.3% |
9. |
1週間のうちにつまずくこと、転ぶことはありましたか |
35.7% |
41.7% |
10. |
横断歩道を信号が青のうちに渡りきれますか |
92.9% |
100.0% |
11. |
肩がこってつらいですか |
35.7% |
8.3% |
12. |
かぜをひくことは少ないですか |
64.3% |
83.3% |
13. |
腰痛がひどく立ち上がりがつらいですか |
17.9% |
16.7% |
14. |
なにごとにも集中することができますか |
71.4% |
75.0% |
15. |
言おうとする言葉はすぐにでてきますか |
53.6% |
58.3% |
16. |
ちょっとしたことにイライラしますか |
28.6% |
16.7% |
17. |
現在の生活に満足されていますか |
67.9% |
83.3% |
18. |
健康に自信がありますか |
21.4% |
41.7% |
19. |
体力に自信がありますか |
21.4% |
66.7% |
|
 |
3ヶ月継続した感想 |
- 姿勢に気をつけるようになった。運動のコツと要領がわかってとてもよかった。
- 皆と知り合えて良かった。仲間ができた。出かけるのが楽しくなった。
- 他の教室より一番気に入っている。
ペットボトル・ボール・ゴムひも等、いろいろな道具を使った運動も、とても楽しくできた。
- 転んだり、つまずくことがなくなった。
確実に体力がついて、脚の動きが良くなった。運動する習慣がつきつつある。自信がついた。
- 膝の痛みがとれた。
腰痛も軽くなった。明るい雰囲気がとても良かった。
- 運動をして胃を丈夫にしたい。
胃下垂があったが胃が強くなり、食事もすすむようになった。姿勢がよくなった。 |
|
小金井市では、年2回(週1回の3ヶ月コース)を行ってきました。その結果、体力の低い人ほど、運動効果が出やすく、体力がついていく実感を得やすいことがわかりました。また、仲間と一緒に行うことで、コミュニケーションの楽しさも味わえ、運動が長続きしやすく、積極的になってきています。まず運動を楽しむこと、楽しむことにより心が刺激され、若返ります。心の若返りは、体力に活力を与えることが効果として出ています。 |