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あけましておめでとうございます。
皇孫 敬宮愛子内親王誕生に際し緑寿園を代表し御慶び申し上げます。 |
昭和五十二年十月秋晴れのすがすがしい一日、皇太子殿下・皇太子妃殿下(現天皇陛下・皇后陛下)にはおそろいで緑寿園をご訪問下さいました。開設して間もない頃であり十分な準備の無いままでしたが、ゆっくりとしたあたたかな思い出を残してくださいました。一階の訓練室で機織や手芸を楽しまれている利用者の方に親しく声を掛けられ、楽しくお話をなされていらしたお姿が昨日のことのように思い出されます。
緑寿園は都市型の特別養護老人ホームとしては日本で初めての施設でした。在宅での生活を支援し必要なときには施設に生活の場を移し、様々な障害を持ちながらも生き生きと活動する生活の場であると同時に地域で生活する方々へのサービスも行なっていく、そんな施設を全国に設置していかなければならないといわれ事業を始めていたときに、皇太子殿下・皇太子妃殿下が緑寿園を訪問くだされたことにより、我国の高齢者福祉施策を新しい時代へと大きく舵を動かす「ちから」を与えて下さいました。
世紀を超えて私達が抱え、時代を創造していかねばならない多くの課題がこの世紀の始まりと共に溢れ出てきました。そのひとつが「家族の絆」です。「家族の絆」が薄くなり、家族の姿が描けなくなってきた。家族が共に喜び・語り合い、伝え合い、時として苦しみあいながらも絆を確かめ合って豊かにしていく関わりが少なくなってきた。高齢者の介護にもあらわれる長い年月を生きるに従い細く薄くなっていく家族の絆。そのことから派生してくる様々な家族内関係の軋轢(あつれき)や、人としての成長のゆがみなどは長い年月のなかでつくられ、時に荒々しく表出して来ます。
「つなげる」ことの大切さをあらためて感じさせられます。
緑寿園は、「介護福祉サービス」を通して多くの皆様とふれあいをさせていただいています。ご利用頂く皆様、ご家族の皆様、ボランテイアの皆様、地域の皆様、地域の行政の皆様。多くの方とのふれあいをさらに深める「つなげる容」になりたいと願っています。地域に信頼され安心してご利用頂ける努力を更に続けてまいります。本年もよろしくお願い致します。 |
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早いもので、私が緑寿園に入園してから六年が経とうとしています。特別養護老人ホームというと「養老院」というイメージが頭の中に浮かび、入る事への戸惑いがありました。しかし、実際入ってみると、それぞれがやりがいを見つけ日々の生活を前向きに送っているように感じられました。そして私自身、「お達者くらぶ」というグループで、神代寺へバラを観に行ったり、小金井公園へ桜を観に行ったりと、楽しい日々を過ごしました。
同時に、私は目が不自由な為、点字を習ったり、OTの先生と共に指編みでマフラーを編んだりしました。「もう何もできない」と思っていた私にとって、ほんの少し他の方の手を借りることで、いろいろの事ができるのだと思うようになりました。編んだマフラーは、同じフロアーの方の誕生日にプレゼントしていたのですが、まだ全員にお渡しできていないので、今後また続けたいと思っています。
そして今、一番楽しみにしていることは、週に一度の対面朗読です。本の多彩な知識は、私の好奇心を刺激してくれ、楽しませてくれます。今まで読んだ本は、三階の図書室に置いてあるので皆さんも利用して下さい。
こうして振り返ってみると、あっという間の六年でした。二〇〇一年は世界的に大きな出来事がありました。二〇〇二年は、平和で明るい話題が多いことを願うばかりです。
私も睦会会長という大役に、少々戸惑いを覚えますが、皆さまのお力や職員の方の力をお借りして睦会を盛り上げていきたいと思いますので、ご意見又、ご協力をお願いいたします。
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