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ひと時の想出 椙崎 てる子 |
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夕方四時近くに三階のひまわり広場の窓から外を眺めると、ケアセンターに来られた方達の帰る時間になります。
寮母さん達にやさしく手をひかれて車に乗る姿が目にみえてきます。
それぞれに車の中に入ると、やがて右の方に左の方にと出発して行きました。
ぼんやり見送っていると、武蔵境駅行きのバスが来ました。ひばりが丘の方面はよくわかりませんけれど境駅の方は、よく出掛けましたので、あの周辺は目に浮かんで来ました。
境駅の階段を上がって、切符をもとめ階段を下りて、中央線で吉祥寺、新宿など行きました。そしてとげぬき地蔵には毎月お詣りは行く楽しみがありました。
賑やかな人通りのなかを、別に買う訳でもないのに、あっちのみせをのぞき、こっちの店で障ってみたり歩き、おひるは美味しいラーメンを食べて帰ることしていました。
その頃に都から無料のバス券を頂いていたので、都営の地下鉄を利用して浅草、湯島天神、亀井戸天神のさがり藤見物に行くなど、自由で気を使わない、一人歩きを楽しんだ時が頭に浮んで来ます。
想い出が次から次と見えて来ますが、私も夕食の時間になります。そろそろ帰る事にしましょう。 冷夏にも園の花はなに色のこし
いやす心を なぐさめるごとく |
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